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会社勤めのころの甘えは捨て去り、自らの事業に全力を挙げて取り組むことが大きなポイントになります。
この切り替えをきっちりできるかどうかが大きな分かれ目です。 これなくして、いくら体裁を整え、外見を取り繕ったところで先は見えています。

私の場合は、マーケティングの基本に従って、できるだけお客様に情報を提供する機会を増やすことと、アピールする意味で休みも設けずに営業時間も一日15時間にしました。 中には、「何もそこまでやらなくていいのでは……」という方もあるかと思いますが、やるべきことは徹底的に極限までやるべきです。
人間は弱いものです。 従来の自分からは簡単に脱皮できるものではありません。
だからこそ徹底的に、そして劇的に切り替えることで自らを奮い立たせるのです、追い込むのです。 結局、私はこの「年中無休、一日15時間」を開業から3年間続けました。
もっともこの背景には、やり続けなければいつ倒産するか分からないといった恐れもありました。 もちろん、これは口でいうほど簡単なことではありません。
現実に、私の場合は一人娘が一番影響を被ったのかもしれません。 当時を思い出すにつけ、娘には可哀想なことをしたとふびんでなりません。
T時代の毎週のドライブがなくなっただけでなく、学校から帰っても家にはだれもいません。 そこで、タクシーに乗って会社まで来て、洋式便器を椅子として特別の机に仕立てて勉強させたり、夜になると書棚の横のわずかのスペースに特製の布団を敷いて寝かせるような状態でした。
いまではすっかり大きくなり、身長が伸びたのはあのとき細長い寝床で寝かせたからだと冗談を言えるようになりました。 しかし、当時はそれどころではありませんでした。
開業の時に小学校5年生だった娘も、いまでは26歳になり、宅地建物取引主任者の資格を取得して、株式会社Iの代表取締役副社長に就任し、セミナー等で全国を飛び回っている私の代わりに、不動産業に精を出してくれています。 つい最近の正月のことです。

元旦の朝7時ごろ、年賀状を投函するのに近所の酒屋まで行きました。 酒屋の前のポストに年賀状を投函していると、そこのご主人が出て来られ、年始のあいさつをしてくれました。
元旦もいつも通り、朝6時から夜10時まで店を開けているということです。 昨今は、コンビニエンスストアの誘いもかなりあるようですが、とても24時間営業して採算が取れるような立地条件ではなく、それであれば近隣の方に少しでも利用してもらえるように、できるだけ開店時間を長くしているのだそうです。

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